望んで手にしたものではない。この世に生を受けたときからそこにあり人生を共にしてきたのだ。だが今、園崎はそれを最も畏れている。あまりにも力をつけすぎたのだ。大樹は脈動し今にも張り裂けそうな勢いで疼いている。園崎は正気ではいられなかった。