そこには市民から国民・人民への変貌があって、自由主義においてすら、あるいはだからこそ特定の政治社会(殆どの場合国民国家)への〈帰向〉が前提とされるようになる。畢竟、自由主義の是正としての自由民主主義はこの〈帰向〉、有り体に言えば忠誠の上に成立しており、国民間の平等しか目指せない。