しかし、改めてこのスレッドの最初のトゥートに戻ると、ただの力の拮抗だけでは、やはりなかなか目先の快と不快の戦いだけになってしまった場合には、どこまで経っても深まらない(思考が始まらない)という欠点があるんだよな。それだけだとアウフヘーベンが起きないというか、人間が賢くなっていかない…現実原則に向かわないのよ。やはりそこには双方の力がぶつかり合ったところで少しずつ思考が深まるというプロセスが重要。難しいですね。あまり激しくぶつかり合っていると、相手を倒すことに夢中になってしまってそのプロセスに至らない。あまりにも緩くて異質なものに出会う葛藤を感じられないと馴れ合って自他の区別がなくなってしまって、それはそれで何も始まらない。もっとも現実には権力勾配がない世界はないわけで、自他の区別がない混じり合って一体化した世界と言うのは幻想に過ぎないんだけれども。