吾輩は猫である。名前はまだない。
そんな吾輩は今、とても不機嫌だ。
理由は至極単純。
「ニャア」……この人間だ。
こいつのせいで吾輩の優雅な昼寝タイムが台無しになったのだ。
せっかくの日向ぼっこを邪魔しただけでなく、あろう事か
我輩にチンチンを突きつけてきたのだ。
先端に触れる感覚に私は戦慄する。
これはチンチンではない…エッフェル塔だ…! 私の脳内で警鐘が鳴る。
「ンニャアッ!」
気づけば私は渾身の力で奴の腕から抜け出し、全力で駆け出していた。
後ろで「あっ待って……」という声が聞こえるが知ったことじゃない。
あの男は危険だと叫んだ声も虚しくこだまする。ここには誰もいない。
ここは、そういう場所なのだ。
走り続けると次第に足が重くなってきた。息も苦しい。
こんなところまで追いかけてくるなんて……。
後ろを振り返ると奴の姿はなかった。
やっと諦めたか。そう思った矢先だった。
「フシャーッ!!」
飛びかかってきたのは男では無かった。見た目こそ華奢な少女であったが、その腰にはエベレストがそびえ立っていた。
あぁここで吾輩の人生は終わりか…
意識が遠のいていく…
あぁ…有りったけの鰹節を食べたかった…
あぁ…暖かな布団の中で眠りたかった…
「んぎもぢいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
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文豪 ちいかわ (bun@romca.tk)'s status on Friday, 25-Nov-2022 09:39:29 JST文豪 ちいかわ