唐辛子、肉桂、月桂樹、棗、花椒、八角など中華系の香辛料と殻付き銀杏を一緒に焼いた「銀杏の香り焼き」がよかった。香辛料といっても粉にはせずホールのまま、いい香りを漂わせる黒焦げの木の皮やら木の実やらの隙間に銀杏が埋まっている。落ち葉をかき分け、実を拾って食べる体験を洗練させたような料理だった。食べ終わった後の皿の上も、晩秋の景色といった風情で美しい。地元・逗子の中華料理「せろりや」さんの、ほんの小さな前菜の一皿。