令和元年10月19日に開催された民族文化研究会関西地区第18回定例研究会における報告「ある化学者の神道説――明石博高の電気神道」の要旨を掲載します。 明治維新によって東京が政治の中心となった。天皇と共に多くの貴族や人材が東京へ移り衰微した京都は、第二代京都府知事・槇村正直を中心に近代化・殖産・勧業を推し進め復興していくことになる。 その槇村を支えた人物に明石博高(ひろあきら)という人物がいる。明石は幼い頃から西洋科学や医学に接し、その知見を以て京都舎密局を開設するなど槇村や山本覚馬らに協力した。彼の携わった事業には多くの「日本初」とされる物があったが、槇村の後任・北垣国道が府知事になると多くの…