コロナ禍の参拝で電子マネーによるさい銭が少しずつ広まっています。現金志向の人が多いなかで、ご利益は変わらないのかと疑問の声も聞かれました。
■初詣客が押し寄せ「密でリスク感じた」
参拝客(20代):「今年も1年良いことがありますように」「健康でいられますように」
3年ぶりに行動制限のないお正月。例年、三が日で300万人以上が訪れる東京・明治神宮には、今年も多くの初詣客が押し寄せました。しかし、頭をよぎるのは…。
参拝客(40代):「(境内は)密で人と人の距離が近いので、やはりリスクを感じた」
■さい銭「電子決済」 導入4年で“倍”
新型コロナの流行に伴って、初詣には欠かせないさい銭を巡り、あるシステムが広がりを見せています。
岐阜県高山市にある「黄金神社」。この神社で2019年から導入されているのが、電子マネーによるさい銭の決済です。さい銭箱の脇にあるQRコードを読み取り、金額を入力して決済します。
金にまつわる最先端の技術を導入しようと、当時、注目され始めていた「電子決済」を始めたといいますが…。
黄金神社・田中宏宮司:「(電子決済を)利用される人は増えている。(導入から)4年経って、(利用者は)倍ほどにはなっているかと思う。今年については、観光客が増えてきたのが(利用者増加の)一番大きなところじゃないかと思う」
■ご利益は?「神様は細かいこと気にされない」
こうした「キャッシュレスさい銭」について保険相談サービスを提供する会社が行った調査では、「良い」は43%にとどまった一方、「良くない」は57%に達しました。
さい銭を電子決済したことがある参拝客(20代):「わざわざ小銭用意するのが面倒と思うので。そういう意味では、(電子決済は)便利なんじゃないかと思う」
参拝客(20代)「ご利益的にも、自分で投げた方があるのかなと思って。どちらかというと反対」
こうした声に対し、黄金神社は…。
田中宮司:「元々、神様に奉納するものは米とか馬、刀などの現物を奉納していた歴史がある。それが時代が過ぎるにつれて、金に変わってきた。現代で考えると、金が電子マネーに変わってきた。ただそれだけのことなのではないかなと。感謝する気持ちが変わらなければ、(電子決済でも)良いのかなと考えている」
キャッシュレスさい銭で、「ご利益」に影響はないのでしょうか。
田中宮司:「電子マネーだから、現金だからって、(ご利益に)差はないと思う。神様はそんな細かいことは気にされないと思う」
(「グッド!モーニング」2023年1月4日放送分より)