『サタデー・ナイト・フィーバー』は著名人のコメントやポスターから想像されるような、土曜の夜にディスコで盛り上がる陽気なパリピの話ではなく、ディスコで踊ったり、仲間と馬鹿をやったりして日頃の生活の憂さ晴らしをするという安い時給で働くアルバイトの青年の青春を描いた映画です。
しかも、父親は失業の身だし、神父になった兄貴は神父を辞めて新しい生活を模索するわ、仲間は仲間で馬鹿さわぎとセックスしか考えてないろくでもない連中だわで、出口の見えない青春模様は観ていてしんどくなる……。
とはいえ、主人公に同情できるかというとそうでもない。仲間のレイプを見過ごすわ、ダンスパートナーをレイプしようとするわ、その後彼女の家を訪ねて和解を試みようとするわで同情できない。
Bee Geesをはじめとする音楽はいいし、オープニングも素晴らしいのだが、70年代後半という時代もあって、性暴力に甘いのが本当に惜しい。良くも悪くも時代を写した映画である。
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d_milhaud@fedibird.com's status on Tuesday, 20-Dec-2022 21:51:26 JST D_Milhaud