湊かなえ原作映画『母性』、
高畑淳子や戸田恵梨香、永野芽郁も凄かったが、
子役の落井実結子の演技が凄かった。
セリフ回しはやや固いが、
表情のみの演技が多く、彼女も幼いながら立派に女優を果たし、映画の重さに一役買っている。
彼女のみならず、大地真央や永野芽郁など全体的にちょっと固めの、いかにも劇らしい会話セリフが目立つが、
戸田恵梨香と大地真央の親子も高畑淳子が支配する資産がある農家などやや裕福な家庭で、
戸田恵梨香が演じるルミ子の20代の時代が昭和40年代中頃とすると
大地真央や高畑淳子が演じるルミ子の母親・義母は昭和一桁生まれという計算がつくから、
全体的に日本の古い家庭の空気が作品を支配しているので、
セリフの固さはやむを得ず、時代性をあらわす演出とも見うけられる。
湊かなえ原作の映画としては
『告白』や『北のカナリアたち』に並ぶ傑作。