幕末京都に上った水戸藩士みたいな物騒さで
「京の町は都大路もへったくれもねえ、田舎べえのうす汚ねえ、サムライかごろつきか分らねえのがいっぱい。……ケンカ始めたかと思うともうぬいてる。あんた生きた首のとび上るのをみたことねえでしょう。すげえもんですぜ。斬ったかと思うともうとんでる」
「ウソじゃありません。あっしゃあ何度もみましたよ、斬られたのはどこの人間か知られえが斬ったのはみんな水戸者のような話でしたつけ。ウソかほんとうか知られえが。何しろ水戸者は人の首きるの、菜っ葉か大根きる位にしか思ってねえってね。とにかく江戸っ子の長くいられる所じゃねえ」
山川菊栄『幕末の水戸藩』