アルケー(古希: ἀρχή)とは、はじめ・始源・原初・根源・原理・根拠」等のことであり、哲学用語としては「万物の始源」また「(宇宙の)根源的原理」を指す。
概説
主にミレトス学派の自然哲学で議論された。古代ギリシアのアナクシマンドロスがはじめてアルケーの語を用いたとされる。
アリストテレスはその著書『形而上学』A (ΜεταφυσικάA) において、哲学の祖はミレトスのタレースであり、彼は万物の根源(アルケー)を水であるとしたと記している。
また、ヘラクレイトスは火を、ピタゴラスは数をアルケーとし、エンペドクレースは土・水・火・空気の四大からなるリゾーマタ、デモクリトスはアトモス(不可分体)が根源であるとした。アナクシマンドロスは、無限定者(無限定)(アペイロン、en:Apeiron)がアルケーであると考えた、とアリストテレスの書は伝えている。
キリスト教でのアルケー
『新約聖書』の『ヨハネによる福音書』 (Κατά Ιωάννην Ευαγγέλιο) は、元はコイネーギリシア語で書かれており、その冒頭に「Εν αρχηι ην ο Λόγος (En arkhēi ēn ho logos、エン・アルケー・エーン・ホ・ロゴス)」と記されている。
(文というのは単独で存在するのではなく、前後の文との関係で意味が決まったり、前後に補足的な情報があるので)上記の文を含めて3文を示すと次のようになっている。
これを(ギリシア語独特の語彙をできるだけそのままにして)翻訳すると次のようになる。
「アルケーとして(=「はじめに」あるいは「根源的原理として…