小水力発電(しょうすいりょくはつでん、Small hydro)とは、小規模な水力発電である。
マイクロ水力発電(マイクロすいりょくはつでん)、小規模水力発電ともいう。
概要
特に小規模な(あるいは特に出力の小さな)水力発電を意味する。例えば、用水路、小河川、道路脇の側溝の水流、水道 等々、様々な水流を利用して発電を行う。「小水力発電」に厳密な定義はないが、出力10,000 kW(10MW) - 30,000kW(30MW)以下を「中小水力発電」と呼び、主に出力1,000kw(1MW) - 10,000kW以下、また「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」の対象のように出力1,000kW以下の小規模な水力発電を総称して「小水力発電」と呼ぶ。また、より細分化し1kW未満の極めて小出力なものを「ピコ水力」と呼ぶこともある。日本では一般的には下記の表のように区分されることが多い。
小水力発電の利点は、ダムも大規模な水源も必要とせず、小さな水流であっても比較的簡単な工事をするだけで発電できることにある。このため、山間地、トンネル内からの湧水、中小河川、農業用水路、上下水道施設、ビル施設、家庭などにおける発電も可能である。
水力発電は過去100年以上の長い歴史を有しているために、技術上の課題はほぼ解決されており、自然環境への負荷が少なく、比較的少ない出費から行うことができる。ヨーロッパなどでは、水車で粉を挽いていた水車小屋が水力発電所に作り変えられたり、水車づくりのノウハウがある地域では水力発電装置の制作に活かすことができる。
また、東北小水力発電(秋田市)は豊田通商と連携し、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」のHVユニット(モーターやインバーターなど)を再利用し、制御コントローラーやモーターなどに活用し、低価格かつ高効率なシステムを発売することを発表している。600万円程度の価格を目指しており、プリウスの部品を使わない場合に比べて2分の1から3分の1となるとされ、比較的安価に制作することが可能であり、安定した電源として使うこともできる。
小水力発電は系統連系を行い、売電によって利益を生むことも可能である。
しかし、日本においては、複数の省庁によって様々な規制(特に河川法)が設けられるため、長年にわたりその普及が困難であった。2010年3月31日に総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会小型発電設備規制検討ワーキンググループがとりまとめた報告…