トランプ政権のおかしさの原因のひとつは、資本家と中間層と労働者という三つの矛盾する要求を抱える勢力を同時に満足させようとしているところにあると思う。
資本家はもっと儲けたく、労働者はもっと賃金(または仕事そのもの)がなくては生活が苦しく、中間層は資本家になるチャンスを手放したくない。新自由主義でも社会主義でも具合が悪い。
根本的に矛盾する諸勢力を同時に満足させようと思ったら、外国や自然環境から搾取するほかない。古典的な帝国主義の登場だ。この構図はトランプ氏が退陣しても、民主党に政権が移っても変わらないだろう。
もちろん、企業および個人による巨大な予算を使った政治活動を規制すれば話は簡単なのだが、それはアメリカが社会主義に移行すること意味するから、ほぼ不可能に近いだろう。
とはいえ、帝国主義の末路は革命に決まっており、かつて工業化と消費社会化がなしえたような、新たな成長の道を見つけられない限り、アメリカは崩壊せざるを得ないだろう。