この視点は常に重要ですね
「認知件数」良い言葉かも
https://digital.asahi.com/articles/AST3P2W2LT3PUTIL01LM.html
内田良(名古屋大学大学院教授=教育社会学)
【視点】文部科学省の問題行動調査における「暴力行為」は、対教師暴力/生徒間暴力/対人暴力/器物損壊の、4つの類型から成り立っています。
小学校については、2023年度の各類型の件数は、順番に対教師暴力が9,468件(1,000人あたり1.6件)、生徒間暴力が53,068件(8.7件)、対人暴力が658件(0.1件)、器物損壊が6,815件(1.1件)です。
都道府県格差が非常に大きいことがわかっていて、小学校の「暴力行為」全体でいうと、1000人あたりでもっとも多いのが宮城県の31.8件、次いで新潟県の31.3件です。もっとも少ないのが、愛媛県の0.0件(県全体で3件)、次いで福井県の0.4件(県全体で17件)と山形県の0.4件(県全体で17件)です。
このばらつきを、本当の暴力行為のばらつきとみなすのは無理があります。学校や行政側がどこまで公式に対応するかによって、件数としてカウントされるか否かがかわってきます。さらに踏み込んで言うと、学校や学級のなかでちょっとした出来事として内々に片付けてしまえば、その実態が件数として可視化されることはありません。
文科省は、暴力行為を「発生件数」とよんでいますが、私はいじめの取り扱いと同様に「認知件数」とよぶことがふさわしいと考えています。