写真の投稿をみて、「有馬氏がたまにまともなことを言っている!」と思われた方もあると思うのですが、実は明治初期には宗門改人別帳のシステムがそのままスライドする形で戸籍に移行したという経緯がありまして、両者にはつながりがあります。
また、寺と関係するのは宗門改帳でして、人別帳は領主権力との関係で作られるもので、寺とは関係がありません。有馬さんは人別帳と宗門改人別帳との区別がついていないと思います。
些細なことに見えると思いますが、このあたりの話は、日本における近代権力の成立についての認識に関わります。有馬氏のように、近世と近代を峻別する立場に立ってしまうと、江戸時代後期には近代への蠢動が見られたこと、明治以降の日本の近代には江戸時代以来の伝統がたぶんに紛れ込んでいることを見落とします。