以前、コンビニのコピー機を使おうとしたら、百何十円かのお金が入ったままになっていた。きっと前に使った人が、余分なお金の払い戻しを忘れたのだろう。ここで「おっ、ラッキー!」とそのままネコババしてしまうことも出来たのだろうが、同時に「ワザとこうしておいた誰かが監視していて、私のネコババが完了した時点において脅迫を決行するという罠ではないか」という考えが浮かんだ。だから……というわけでもないが、入っていた残高をそっくりレジへ持っていき、事情を話した上で渡してきた。
で、ここで問題になるのは、「正直者になろう」と私が考えた直接の動機が、悪意の第三者による陰謀説だったということで……。何と言うか、我ながら醜い人間だ。