「社会人」の概念史 - tukinoha’s blog
https://tukinoha.hatenablog.com/entry/20110422/p1
私も「社会人」という、分かったような分からんような、学生や主婦(往々教員も!)を貶すのに便利に使われる概念がどうして形成されたかには関心があるのですが、先達がいました。戦争を経てなのかな、やはり。
「社会人」で連想されるのは俸給生活者であり、たとえ食い扶持を稼ぎ家族を養っていても、「社会人経験豊富」といって「営農一筋半世紀」という人を連想することはまずありません。農業や自営業という、古典的な生き方がどうも排除されたらしい語感を持っています。すると高度成長期以後の普及か。
さらに言えば、「社会人」は民間企業で働く人がもっぱら想定されるように思われ(だから教師は往々排除される)、そこには「激しい競争の中を生きている民間企業人こそが偉いのだ」という、新自由主義の萌芽をも見出すことができるのではないかと、まあそんなこともぼんやり思っています。