第5章「陰謀論は信じてはいけないのか」について。
151頁、カール・ポパー「社会の陰謀論」(1972年)とそれに対するチャールズ. ピグデンの批判を紹介。
陰謀論の定義に「否定的な価値評価」が含まれているよねというコーディの批判(153-154頁)と、その一例としてロブ・ブラザートンの定義(154頁)
155頁からは科学理論のように、否定的な価値評価を含まない陰謀論の定義の話。これって「仮説」と何が違うのだろう?
で、ここまでは陰謀論を消極的に擁護するという話だけど、もっと陰謀論の価値を接子y区的に評価しようというのが157頁からの「社会における開放性」という節。陰謀論で明らかになることや社会のチェック機能を果たしているという考え方の紹介。
それでも陰謀論は魔女狩りに近い状態ということで、コーディがそれをミランダイ・フリッカ―の「認識的不正義(epistemic injustice)」の一次例とみなしているという話。
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