日本人は外国人客急増の「貧しさ」をわかってない - 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/640661
日本の観光地の価値が高まったために、外国人が高いお金を払ってでも日本に来るようになったのだったら、本当に嬉しいことだった。しかし、実際に起きたのは、そうしたことではない。日本での旅行や買い物が安くなったために起きたのだ。
かつて、ユーロが形成される以前の時代、豊かなドイツの労働者は、バカンスになると、ドイツ人から見れば物価が安い国であるギリシャを訪れた。それと同じことが生じたのだ。日本はアジアのギリシャになったのである。だから外国人観光客の急増は、本当は日本にとって悲しいことなのだ。
日本が貧しくなるとともに、人材が劣化した。日本には「安い人材」しかいなくなった。いや、正確にいうと、本当は能力があるのに、日本の社会構造のために、それを発揮できないのだ。多くの有能な人材が、潜在能力を発揮できずに安い賃金に甘んじている。これは「安い日本」における最も深刻な現象だ。