南アフリカ共和国を「白人を差別する人種差別国家」と、言語道断の発言後、トランプは南アへの経済援助の中止を発表。すると、これは容易に予想されたことであるが、中国がそれを肩代わりすることを申し出た。
南アは元来、中国とそれほど良好な関係にあったわけではない。というのも、アパルトヘイト政権時代、マンデラのANCの解放運動を支援したのは、主にソ連であり、中国は当時ソ連を主要敵としていたので、この件では米国と同盟するという愚挙に出た。(ただし、タンザニアのニエレレ政権には鉄道敷設などの援助を行った)。
逆にキューバは積極的に黒人解放運動の支援に乗り出し(キューバの人口の過半数はアフリカからの奴隷貿易の子孫)、南アフリカとCIAの支援を受けたアンゴラ反政府軍を天下分け目の戦いで粉砕、南アフリカをアンゴラから撤退させた。
しかし、今回のトランプの選択は覇権国家のソフトパワーの観点からは最悪の愚挙。国務省幹部もさすがに反対派したのだろうが、大統領命令とあればやむを得ない。。
バイデンの時にグローバル・サウスとの亀裂は相当に深まっていたが、トランプで修復不可能になるだろう。
EUとの関係も相当にぎくしゃくし、世界はカオスに向かいつつある。日本も生存を続けたれば、本気で対米従属を見直す時期に来た。