トランプ第2期政権の発足や、その他諸々の現状を見たうえで、私のスタンスを改めて確認したい。
平和、人権、民主主義——これら啓蒙思想の成果の達成度を高めることが、社会の進歩だ。この全地球的な価値を形にしたものが国連システムと国際人権法だ。
国際人権法では、私たちはひとりひとりが平等な尊厳をもち、理性と良心を授けられ、不可侵で不可分な権利群をもつ人間であると考える。人権とは、人間が考え人間たちが共有する抽象的な概念であるが、ここで抽象概念を共有する能力こそが人間を人間たらしめていることを想起されたい。
現代の企業は利益を追求するだけでなく、社会や地球環境と協調しなければらない——この21世紀の価値観を形にしたものがESGやSDGsなどである。ミクロにはPL/BS、マクロにはGDPで示される経済成長という単一の指標だけではなく、社会や環境の改善を目指す多数の指標を見ながら経済活動を行うことが、21世紀の企業のあり方である。
これらのアイデアには、改善の余地はある。しかし、基本的なアイデアの正当性は長年の研究や実践で確かめられている。平和、人権、民主主義は、社会・文明を進歩させる価値あるアイデアだ。これ以上のアイデアを私たちは持っていない。対抗勢力(いわゆる"保守派")はただの反動である。
(続く