私の「発達障害」概念を支えているのは、テキストだと主にこの2冊。
特に成人以降の発達障害の自己理解や他者理解には、この2冊に多大なお世話になった。文字通り、マーカーで線引きしながら読んだ。
『自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール』
は自閉症(ASD)であり、コロラド州立大学の動物学教授であるテンプル・グランディン博士と、同じくASDで作家のショーン・バロンが書いた名著。
当事者の葛藤と、そこでの学びが詰まっている。両者ともに非常に知性的に自分を振り返るので、アメリカという異国の文化基盤の上での話であっても学びが深い。
https://www01.hanmoto.com/bd/isbn/9784750329918
『成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群』
は順天堂大学教授の広沢正孝先生が2010年という早い段階で成年のASDを分析した歴史的名著。
この著作から現在の発達障害臨床も大きな影響を受けつづけている。特にASDの認知のあり方が特殊であり、その世界を言語化した功績が大きい。
これも自分の認知と他者の認知を学ぶのに役立ったし、成年ASDの苦労と対策を学ぶのにも役立った。
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/81066