樹木の枝葉で覆われた土地の面積割合を示す「樹冠被覆率」が、東京23区で2013年の9.2%から2022年には7.3%まで減ったことが、東京大の研究チームの調査で明らかになった。日射や路面からの放射熱を減らし「緑の日傘」と呼ばれる樹木が減ることで、ヒートアイランド現象の深刻化が懸念される。
用途別で減少幅が最も大きかったのは、民家の庭木が減った一戸建て住宅で、40.6%減だった。次いで街路樹の減少により道路が21.4%減、教育・文化施設18.2%減、公園8.3%減と続いた。
区別で比率の減少幅が最も大きかったのは杉並区の39.5%減、次いで練馬区の38.2%減、世田谷区と中野区の34.7%減。23区西部はかつて屋敷林などが多かったが、地価高騰や相続税の負担を背景に、一軒分の土地を分割し、小さな一戸建て住宅を複数建てる住宅事情などが影響したとみられる。
緑の地域格差も判明した。江戸時代からの神社仏閣や庭園が比較的に多く残る23区中心部や西部は、東部の「下町」に比べて樹冠被覆率が高い傾向があった。格差を埋めるには公共の緑化政策が重要になる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/364438
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