小田原地震(おだわらじしん)は、神奈川県西部の小田原市周辺で発生する地震である。フィリピン海プレートの一部にあたる伊豆半島と、日本列島のプレートとが衝突して沈み込めないため、小田原市周辺では地震が発生しやすいと考えられている。過去に数回発生しており、再来周期はほぼ73年である。小田原市周辺で過去に発生した主な地震としては、寛永小田原地震(1633年)、慶安小田原地震(1648年)、天明小田原地震(1782年)、嘉永小田原地震(1853年)などがあげられる。1645年(正保2年)、1647年(正保4年)、1870年(明治3年)にも発生したとされているが、いずれも小被害である。さらにこれらの地震に、相模トラフ沿いで発生した元禄地震(1703年)および関東地震(1923年)を加えると、平均で70年程度の周期で地震が起きていることになる。本記事では、江戸時代の地震に於いては発生時の元号を冠し区別している。
寛永小田原地震
寛永10年1月21日(1633年3月1日)に発生。マグニチュード 7.1-7.2(7.0とも)。小田原で最も強く揺れ、小田原城矢倉、門塀などに被害が出た。民家倒壊も多く、150人が圧死により死亡。箱根で山崩れが起こる。海に近い熱海や網代で津波の被害が出た。
慶安小田原地震
慶安元年4月22日 (1648年6月13日)に発生。マグニチュードは7.0程度。小田原城破損。死者1人。箱根で落石。領内で潰家が多かった。
天明小田原地震
天明2年7月15日(1782年8月23日)。マグニチュード 7.0程度(7.3とも)。月初めより前震あり、被害は大きく、小田原城の櫓、石垣に被害が出る。民家は約一千戸が倒壊し、江戸でも死者。箱根山、大山、富士山で山崩れが発生した。熱海で津波が有ったとの記録がある。なお、宇佐美龍夫(1984…