これは残酷な無差別テロだ。子どもも犠牲になった。
レバノンで、2024年9月17日の午後3時半頃(現地時間)から1時間あまりの間に、数千台のポケベル(Pager)が次々に爆発。医療スタッフ4人、8歳の少女、11歳の少年を含む少なくとも12人が死亡した。負傷者数は約2800人。救急車1000台以上が出動した。
イスラエルが5000台とみられる大量のポケベルをサプライチェーン(製造・流通経路)のどこかで改造し、爆発物を仕込み遠隔で起爆したと見られる。ターゲットは、イスラエルと敵対する組織ヒズボラ。スマートフォンがセキュリティ的に危険と判断したヒズボラは、数カ月前にポケベルを大量導入していた。
ポケベル爆弾は突然振動を始め、止めようとボタンをクリックすると爆発する仕掛けだった。ポケベルを取り出し、あるいは目視できるよう顔の前に持っていってから爆発するよう仕向け、対人殺傷の確実度を上げる残酷な手口だ。ケガ人は、手や目を傷つけられた人々が多かった。イランの在レバノン大使は爆発で失明したと伝えられる。
イスラエルはこの作戦後、米国に内容を報告した。つまり米国も作戦の共犯者といえる。イスラエル側は「ヒズボラ関係者以外を傷つけるリスクは少ない」と説明した模様だ。