もう30年になるが、うちの父が急に亡くなった時に普通に死因を書かれたら「心不全」って書かれるところ、解剖医が「わからんもんはわからん」って言って「不明」って書いたんだよな。
その後、母も父が突然亡くなっただけでもショックなのに、「不明ってなんなんだ」とわけがわからずパニックになり宥めるの大変で、しかも、口さがないおっさんらが「死因不明らしいで」「なんじゃそら、聞いたことないぞ」と葬儀の前後にもあちこちでヒソヒソ話するもんだから余計に鬱陶しく、死因の記載一つで大変に面倒くさいことになったのをよく覚えてる。
母がどうしても納得しないので解剖医にも会いに行ったが、スンゲェ朗らかに「わからないものはわからないからね!」「血栓とかできたんかもしれんけど、そんなのもう見つからないしね!」とニコニコと話しされ、違和感増幅しただけで何にもならんかった。
「心不全と書け」とは言わんが、「不明」と書かれる側の身にもなってほしい。医学的なモノである以上に、社会的なモノでもあるんだよ。死因って。