明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(めいじにほんのさんぎょうかくめいいさん せいてつ・せいこう、ぞうせん、せきたんさんぎょう)は、2015年の第39回世界遺産委員会で国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産リストに登録された日本の世界遺産の一つであり、山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県に点在する。西洋から非西洋世界への技術移転と日本の伝統文化を融合させ、1850年代から1910年(幕末 - 明治時代)までに急速な発展をとげた炭鉱、鉄鋼業、造船業に関する文化遺産であり、稼働遺産を含む世界遺産は日本では初めてとなった。
沿革
推薦書の提出まで
2000年代に入って、重伝建の町並みを持つ萩市(萩城下町を参照)や九州の自治体を中心に近代化産業遺産の啓発運動が行われていた。2005年7月には鹿児島県が九州に近代化産業遺産に関するシンポジウムを開催、2006年6月には九州地方知事会において「九州近代化産業遺産の保存・活用」を各県が連携して取り組む政策テーマに決定し、九州全体の取り組みへと広がる。
同年9月に文化庁が自治体から暫定リストの公募を開始したため、関係資産を有する6県8市が共同で提案を作成、同年11月に文化庁に提出する。この案では、官営八幡製鐵所 東田第一高炉跡(福岡県北九州市)、旧高取家住宅(佐賀県唐津市)が候補に挙げられていた。しかし、2007年1月の結果発表では継続審議となったため、資産を見直し同年12月に再提出した。この案では、新たに官営八幡製鐵所 西田岸壁(福岡県北九州市)、旧伊藤伝右衛門邸(福岡県飯塚市)、筑豊炭鉱 旧三井田川鉱業所伊田竪坑櫓、伊田竪坑第一・第二煙突(福岡県田川市)、新波止砲台跡(鹿児島県鹿児島市)、前田砲台跡(山口県下関市、1864年)が候補に挙げられていた。ここに挙げた資産はいずれも、2013年の暫定版推薦書で除外されている。
2008年12月15日、文化庁が北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群(北海道など)、宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県宗像市など)とともに追加申請を決め、翌2009年1月5日に暫定リストに追加掲載された。このときの名称は「九州・山口の近代化産業遺産群-非西洋世界における近代化の先駆け-」であった。
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