精神医学の歴史って、見てて一番驚くのが、初めてまともに統合失調症に効く薬(クロルプロマジン)ができたのが1954年だったってこと。歴史上ほとんどの期間はなんの薬もなし。それまでは「故意にマラリヤに感染させると統合失調症の症状はおさまる」とか「患者の腕に羊の睾丸を移植する(ホルモン療法?)」とかのマッドサイエンティストもびっくりの人体実験が「治療」だった。そんなのでも、わずかでも効き目があればまだいいが大半は、大量の水を勢いよくかけ続けるとか椅子に縛り付けて高速で回転させるとか、固着した精神を物理的に引き剥がせば治るという謎理論からひねり出した拷問みたいなものだった。…そりゃ症状がおさまったんじゃなくて死にかけておかしな行動/言動する体力がなくなっただけだろ!?!?っていう、治療効果に対する評価も全然できてなかった。医学の進歩だけ全科学分野の中でものすごく遅い。