Wowow公式Youtubeが2週間限定で無料で見られるので本当に久しぶりにフェリーニの「道」を見た。 https://www.youtube.com/watch?v=uFe0hiPSegA
初めてこの映画を見たのは22歳の時だったけど何が何だかわからなかった。当時記号論に興味を持ち始めたころだったから、その勉強の一環として映画を見まくっていたのだけど、ヴィスコンティやフェリーニはある種「見るべき映画」と言われていたので見たのだった。でも、「道」だけでなく、フェリーニの映画はどれもどこか気が狂ったように思えて、見ていて楽しめなかったのを覚えている。
ところがそれから数十年経って見てみると、なぜかこの映画が理解できるだけでなく(悲しい映画だけど)楽しめている自分がいてそれにちょっとびっくりしている。それが「年の功」ってやつだと言われればそうかもしれない。
それにしても役者の存在感を際立たせる絵作りはこの時代の白黒映画に叶うものってなかなかない。イタリア映画もフランス映画も日本映画もハリウッド映画でさえ、特撮はおろかクロマキーさえないこの時代の映画技術とセンスが映画史の中で抜きん出ているということを改めて認識した私だった。