頼んでもないのに植民地へと電波を垂れ流すNHKの朝ドラでは琉球・沖縄はほとんど蚊帳の外である。
なので最後まで観たためしがない。ところが今回の『虎に翼』は今のところ全部観ている。目当てはもちろん背広姿のよねさんだ。
よねさんのような振る舞いにはマイノリティ特有の孤独感が漂う。環境に恵まれず育ったよねさんの周りとは少し違う切迫感は、あなたであり、私であり、沖縄でもある。きっと多くのマイノリティーがシンパシーを感じるキャラのように思う。
ドラマの中の人間関係や、ネット上のレビューではよねさんを突き放すような者は見かけない。※自分調べ
では現実社会ではどうかと言えば「よねさん」のようなマイノリティの中のマイノリティは大方煙たがられる。腫れ物のように避けられ、単なる「怒りんぼう」としてレッテルをはられ、その先の正当性を全て奪われる。
自分の代弁者となる「よねさん」は称賛し、自分に加害性を突き付ける「よねさん」に対しては、作中に登場する冷やかしやからかいで女性を差別する男たち、または男社会を変える努力ではなく「女性」の応援をする「優しい」男たちのいずれかになっている者が多いのではないだろうか。
ドラマのよねさんに対する優しさや寛容さを、身近な「よねさん」にも向けてほしいし、自分もそうありたい。