2018-03-01 司馬遼太郎賞の奥山編集委員 受賞スピーチ
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"…アメリカには記録が残っているのに、日本には記録が残っていない、ということがたくさんあります。こんなことで対等にアメリカと渡り合えるのだろうか、と私は心配です。逆に言えば、アメリカは、こうした記録を持つことで、その外交に正統性と継続性、一貫性をもたせることができているのだろうと思います。
こうしたアメリカ側の記録の中には、たとえば、自民党幹事長だった中曽根康弘さんからロッキード事件について「もみ消し」の依頼があったという詳細な公電があります。42年前の2月19日朝、中曽根さんはアメリカ政府への伝達を大使館に依頼しました。「もみ消す」という言葉がローマ字で「MOMIKESU」と書いてあります。当時の中曽根さんからすれば、万一、これを日本の有権者に暴露されれば、政治生命が危うかったことでしょう。そうした弱みをアメリカ政府に見せている、アメリカ政府に甘えている、と言って過言ではないと私は思います。…"