『美と殺戮のすべて』観てきました。とにかくナン・ゴールディンがひたすら格好良かった。いかにもスタイリッシュですよという感じのショットが続くわけではないけれど、おそらくそれだからこそ、とても個人的でかつ集合的な痛みの記憶を生々しく抱き続けつつ(冒頭すぐに、ゴールディンが「写真と違って実際の記憶には匂いがあり、汚い」と言っていたのがとても好きでした)闘いをやめないことの美しさが、際立つ映画だった。
ArtBeatに掲載された笠原美智子さんのレビューが良くて観に行った映画なので、レビューへのリンクをもう一度貼っておきます。
ちなみに、先日NHK講座での菅野優香さんとの対談でも少し出てきた話ですが、私は『哀れなる者たち』は良くできた映画だとは思うものの、「女性のセクシュアリティ」の描写に関しては特にフェミニスト的だとは感じなかったんですよね。
『美と殺戮のすべて』を観ながら、ああこれが私の憧れるフェミニストだな、と思っていました。
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/all-the-beauty-and-the-bloodshed-review-202403