童貞を殺す服(どうていをころすふく)は、日本のインターネットスラングの一つ。女性の服装を指すものだが、その意味の解釈には「清純そうなイメージを感じさせる服」「脱がせるのが困難な服」「見た目が愛らしい服」「清楚感とエロティシズムを兼ね備えた服」「女性経験の少ない男性には刺激の強すぎる服」など、諸説がある。本記事では、そこから派生した童貞を殺すセーターなどについても述べる。
発祥と語義
「童貞を殺す服」は、2015年(平成27年)7月上旬の頃から、Twitter上で話題になり始めたとみられている。当時は、ブランド「NO.S PROJECT(ノスプロジェクト)」の白いブラウスとハイウエストのスカートの組み合わせが「童貞を殺す服」の例として挙げられ、「美しい」「持ち上げ方が上手い」といった反応があった。女性の体形を強調する画像だったこともあり、女性の体形に夢を見がちな童貞の男性も刺激を受けて「大好きです」「これは殺される」など、共感の声も挙がった。
「童貞を殺す服」という言い回しがユーザーの心を捉える上に憶えやすいため、Twitter上では「大好き」「自分はこういう服のほうが好きだ」などの想いが交錯し、大きな話題となった。「童貞を殺す服」はハッシュタグにもなり、自分の思う「童貞を殺す服」の披露が続出し、ゴスロリやアニメのキャラクターの服装などの画像も投稿された結果、リツイートが1万件を超えることもあった。また、『Fate/stay night』や『艦隊これくしょん -艦これ-』といったゲームをもとにした画像も投稿された。中でも『艦これ』のキャラクター「電」のイラストは、ニコニコ静画に投稿されて以来、2日間で閲覧数が6万8000回以上に昇った。この当時の「童貞を殺す服」の概念は、フリル付きのブラウスとコルセットスカートのような服装、または白いブラウスと膨らみのあるスカートなど、清純なイメージの服と考えられている。
一方、Twitterでは「どうやって脱がすかわからない服だと思っていた」など、当時よりすでにユーザーごとの解釈の違いが存在していた。「脱がせる方法がわからない服」が当初の意味合いであったが、先述のようなTwitterの拡散に伴って「童貞が好む服」との意味合いが定着しつつある、とも分析されていた。
翌2016年(平成28年)6月に、めちゃコミックで「童貞を殺す服」が紹介された際には、その意味が「清楚な雰囲気と女性らしさを強調する服装」「清楚とセクシーを兼ね備えた服」と定義された…