"イスラエル人の政治経済学者サラ・ロイは『ホロコーストからガザへ』という本のなかで「イスラエルはホロコーストと向き合ってこなかった」と言ったが、以上述べたように、実はドイツもホロコーストと向かい切れていないのではないか。もし真剣に向き合えていれば、ドイツ現代史研究者や哲学者はコソボの空爆を支持したりしなかっただろうし、長年のイスラエルの民族浄化を自分たちの研究の言語から批判できたであろう。
以上のことは、ナチスの罪を相対化するものではなく、実はナチスの罪がどれだけ深いかをもっと知るということだ。"
ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景 京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/29293