芦原さんは最終的に、自らの手で脚本を書くという異例の手段に出た。芦原さんがそこまで追い込まれた理由については、「連載が続いている最中にドラマ化されたことが大きいでしょう」と、きたがわさんは推測する。
「作者は普通、物語の前半に伏線をいくつも仕込んで、ラストで回収するように構成を練ります。でもドラマがそれとは違う方向に暴走したら、『ドラマはドラマ』と完全に割り切れる作者でない限り、原作も影響されて伏線を回収できなくなるんですよ。僕も芦原さんと同じ状況だったら、『あ、ちょっとやばいかも』って焦ったと思います」
当初の予定通り漫画を描けなくなったり、トラブルに発展したりと、映像化を許諾することには一定のリスクがある一方、漫画家にとって、そのメリットは年々小さくなっている。
人気漫画の原作はなぜ“改変”されてしまうのか 『ホットマン』作者が語る「脚本家と漫画家の決定的な違い」 https://dot.asahi.com/articles/-/213710