「平和をつくるを仕事にする」鬼丸昌也(ちくまプリマー新書)読了。
自分の預金や税金が金融市場でどのように運用されているか知るのは、戦争に関与しないために重要だという。戦争反対を唱えていても、知らない間に戦費を払っている可能性がある。
まずは、信用金庫・信用組合・労働銀行にお金を預けたり、借りたりするのがおすすめだという。これらの金融機関は営業区域の縛りがある。地域にお金を循環させるのが使命のはずで、武器を製造する外国企業に投資している可能性は大銀行より下がる。ただし預貸率が低いところは、アメリカ国債で運用しているところが多い。
事例:
東京にある城南信用金庫は、省エネや代替エネルギーを使うことで融資の利子を少なくしてくれるというサービスがあり、これにより脱原発を応援している。
また西武信用金庫は、地域の社会起業家やNPOが地域社会の課題解決のための資金を貸し出すだけでなく、企業経営のコツを教えてくれる。
全国にも親身に地元企業を応援している金融機関がある。
つぎに、社会課題を解決しようとする会社に投資している投資会社を選ぶ。
事例:
コモンズ投信、鎌倉投信
鎌倉投信の投資先にIKEUCHI ORGANIC という、風力発電の電力でしかタオルを織らない、また、オーガニックコットンしか使わない、今治タオルの老舗がある。ここが経営破綻した際に鎌倉投信が応援。見事に経営を立て直した。
反対に投資先が環境破壊をしたり、非人道的な兵器を製造している会社からは手をひいたり、対話することが必要。
企業の行動は消費者だけでなく、銀行や投資家の意思に大きく依存している。このお金流れを変えなければ企業の行動は変わらない。(= #不買運動 だけでは変えられないということ。)
この本は子ども兵の社会復帰を支援するNGO に携わる著者が娘にむけて書かれただけあって、平和へのアプローチが立体的かつ、読んでいてとても励まされる。