日本の公的年金は賃金と物価の変動に応じて毎年改定される。
昨年の物価上昇率が3.2%の上昇、過去3年間の名目賃金上昇率が3.1%の上昇なので本来であれば年金の今年の改定額は3.1%の上昇になるはずだったが、「マクロ経済スライド」が発動されたことによって0.4%引き下げられて2.7%の上昇にとどまりまった。
かつて日本の年金財政は現在から将来の全期間において(=未来永劫)給付と負担の均衡を取ろうという「永久均衡方式」を取っていたが、2004年の制度変更によって財政検証期間(=概ね100年後)まで給付と負担の均衡がとれていればいいという「有限均衡方式」に変わった。
(※5年に一回財政検証を行い続けることによって結果として将来にわたって均衡がとれるようにしている。つまり、2004年から概ね100年後、2009年から概ね100年後、2014年から概ね100年後・・・という感じで財政検証期間が5年ずつ移動していく。)
そして、この2004年の制度変更時に「マクロ経済スライド」が導入された。これは、このままの給付水準を続けると財政検証期間終了まで年金財政が持たないと判断された場合に支給する年金額を減少させる仕組みであり、これが発動されているという事は「日本の年金財政は厳しいぞ」という政府からのメッセージである。
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