文化盗用と言えばわかりやすいのが宮沢和史氏の『島唄』だろう。
宮沢氏は沖縄戦を知らなかったことが恥ずかしく格好悪く感じたとインタビューに答えていたが、彼のように知ったつもりになる方がよっぽど恥ずかしく格好悪い。
歌の中に琉球音階を使わなかったパートがあることもあまりに美化されすぎている。現在進行形で支配している日本人が、琉球・沖縄の文化を扱うことは文化盗用以外何者でもない。
口を開けば沖縄戦の悲惨さだけを語り、沖縄のためにと歌を歌う。その歌はヒットし、宮沢氏は出世街道を突き進み、今じゃ世界のウチナーンチュ大会のフィナーレで中心にいる。
ウチナーンチュの頭上をあっさり飛び越え名声を手に入れた宮沢氏と対照的に、ただ取り残されている沖縄人。「沖縄のために書かれた歌」が沖縄のためにはならず、個人の利益にしかなっていないことは正しく認識されるべき。
『島唄』のヒットで沖縄の基地被害は減りましたか。それどころか状況は悪化の一途をたどり、戦争の足音が日々大きくなる。ちなみに宮沢氏の故郷山梨県では過去に「富士を撃つな」の声で米軍基地を沖縄県へと移転させた過去がある。
宮沢氏だけでなく沖縄を搾取し続ける日本人がしてきた/いることの殆どは日本人を解放し、沖縄人を日本人への「感謝」で縛りつける効果しか生まない。