能登の被災地救援活動の動きが鈍いか鈍くないかで論争が起きているようなのですが、現状が手抜きや瑕疵の結果ではなく、ベストを尽くした結果であるかどうかというのは、「現在の日本の国力では」という但し書きをつければそうなのではないか、という気はします。
確かに能登の条件は想定される中でもよくない環境だとは思いますが、東日本大震災であれば投入できた余力(無茶振りでも、あれもやれ、これもいけ、と突っ込むような)は、高齢化と全般的な国力の低下でできなくなっていて、できる範囲内でやったら、これが限界、という感じがします。
これは政府だけに限らず、最初に復旧工事に駆り出される建築業界の疲弊も大きいでしょうし(初期の道路復旧は地元建設業が初動できるかどうかがものすごく大きい)、民間レベルでは公助が入る前に行われる、自助・共助が高齢化によって弱体化しており、地域によって救済が入る前に持ち堪えることができなくなっている、などもあるように思います。
ということは、今後似たような地域では、同じように災害時にこれまで見られたような迅速な救援活動は期待できないということになるので、これまで以上に大変な状態の被災地が増えることになるのかもしれません。