まだ30代の頃、SF系のイベントに登壇したとき、ファンダムのある男性がスタッフをしていた。打ち合わせ時に住所や電話番号が書かれた名刺をその人に渡してしまった。すると半年か一年後に非通知で自宅固定電話にかかってきた、というのを思い出した。
出るとうわずった甲高い早口で「新宿のど真ん中に住めるという発想がなかったので桜庭さんのおかげで気づけて近くのマンションを買ったんですよそれで引越してきたんですけどすき焼き用のいい和牛の頂き物があるんです引っ越し蕎麦がわりにどうでしょうか!今夜来てください!!」と言われ、絶句していたら、「迷惑ですかね!はははじゃあいいですけど?」「はい…」と切った。
こちらからは相手の住所も何もわからず、カーテンを開けるのも怖かった。賃貸なので引っ越した。名刺は処分し、以降作っていない。
数ヶ月後、書店のトークイベントに出演したら、真ん中に前後に通路を空けた座席の配置で、真ん中の通路側、出演者から一番よく見えそうな席にその人が座っていた。一回も目を合わせないようにした。それ以来見かけていない。あれはなんだったのか…(急に思い出しました…)(和牛解散のニュースで)
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桜庭一樹 (sakurabakazuki@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 13-Dec-2023 21:51:01 JST 桜庭一樹