これまでの日本の政治が、「政治部思考」で、政策論を小馬鹿にしながら、閉じた既得権益高齢者の内輪の人間関係である政局にだけ焦点をあてるという状態でありながら、日本の統治が回っていたのは、戦後、社会状況が安定していたことと、官僚機構が政策を取り仕切っていたことが理由だったと思います。
官僚機構の硬直性が問題となり、政治主導にしようとしたら、政治は結局、官僚機構に代わって政策論を行なう準備はなにひとつできておらず(その重要性も理解できず)、一方で、官僚機構は弱体化、政策立案・執行能力は劇的に低下、政局だけが残る、という救いのない状態が現在地のように見えます。
いま、政局話が盛り上がっていますが、この先どれだけ政局が動こうとも、政策立案・執行能力の向上には結びつかないので、統治能力は、ただただ低下していき、国民生活も混乱していく一方だと思います。