KADOKAWAの件はむしろこれからが本番だと思います。刊行すれば刊行されたという事実そのものが「権威」や「根拠」となるし、今回のように中止になれば「キャンセル」事案として格好のネタになる。ヘイト本を巡るあらゆる環境は常に変化しており、いま、そのコンボ技がハマる状況になっている感覚がある(数年前はそうではなかったし、数年後はどうなるかわからない)。
中韓ヘイト本が刊行中止に追い込まれることが(おそらく)なかったのも、この「状況(の変遷)」によるところが大きいと考えています。この国でヘイト本が大きな話題になった2013年付近、まだSNSは現実社会におけるウェイト/地位を確立はしていなかったし、当然それは出版社にとっても同じ。いまは、特に出版業界においてはTwitterへの依存度的なものが大きく、そこでの注目度&好感度が売上の生命線となってしまっています。ゆえに、そこで大きな(悪い)反響があれば、当然経営層は売上の面で合理的な判断をするでしょう。差別に反対しているからではないです。面子(とそれに連なる売上)が悪くなるからです。大手であればあるほど、そういう判断をしたくなる。