ユヴァル・ノア・ハラリ 人類文明を鮮やかに描く『サピエンス全史』著者 | クーリエ・ジャポン https://courrier.jp/columns/345442/
ホモ・サピエンスより体格的に有利だったネアンデルタール人やほかの動物たちはなぜ絶滅し、私たちが繁栄できたのか。その答えが「虚構を作り出す力」にあるとハラリは言う。
お金、国家、宗教、人権……。ハラリはこれら全てがホモ・サピエンスの想像力の産物だと説明しているんだ。同じ虚構──つまり同じ物語を信じる者同士では連帯感が生まれる。だからこそホモ・サピエンスは大人数で協力し、他の動物たちでは到底できないようなことも成し遂げられたのだ、と述べている。
ハラリは、『サピエンス全史』を通して「虚構について敏感になり、現実との区別をつけてほしい」と言っている。自分が真実だと思っていたことが、誰かの作った物語だと気がつけば、しがらみから離れ、目の前の世界をありのままに捉えられることができるということなんだ。