19世紀後半のイギリスではコレラが外国から侵入することへの恐怖が凄かったらしいが、そもそもイギリスにはコレラ以外の伝染病が蔓延した歴史があり、あるいは同時期にも蔓延しており、にもかかわらずコレラが異様に敵視された、その理由はユダヤ人や、コレラ発祥の地とされるアジアへの嫌悪/恐怖によるものだった、的なことがこの本には書かれているんだけど、コロナはもちろんのこと、いまはトコジラミなんかも同様の流れになるんだろうな、という感じ。あらゆる危険は常に外国からもたらされる、という幻想。あるいは都合のよい言説。
https://fedibird.com/@gucchi_penguin/111488611791864481 最近文庫化された恩師の本を読んでいる途中だけど、やはり面白いのと、20年以上前に刊行されたこれをいま文庫化しようとした講談社学術文庫の編集者も評価されるべきだと思う。ドラキュラ読んでなくてもそれなりに理解できるのでぜひ。私がその未読者です。
丹治愛『ドラキュラ・シンドローム 外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝』
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000383056 [参照]