尹 錫悦(ユン・ソンニョル、朝鮮語: 윤석열、1960年12月18日 - )は、韓国の政治家、元検察官。同国第20代大統領(在任: 2022年5月10日 - )。第43代検察総長(在任: 2019年7月25日 - 2021年3月4日)。
父は経済学者の尹起重。本貫は坡平尹氏。
来歴
出生
1960年12月18日にソウル特別市城北区普門洞にて誕生。1979年にソウル大学校法学科に入学し、大学在学中の1980年5月8日に粛軍クーデター関連の模擬裁判に裁判長役として参加し、クーデターの首魁とされる国務総理の申鉉碻に死刑を宣告し、全斗煥に無期懲役を宣告した。模擬裁判後に尹は当面の間、母方の親戚が住む江原道江陵に身を潜めた。司法試験には9年間9回不合格し、1991年の第33回司法試験に10回目で合格。
検事時代
司法研修院23期修了後の1994年に、検事となった。
水原地方検察庁驪州支庁長として勤務中に2013年4月より国家情報院の世論操作事件特別捜査チーム長として活動しながら、検察首脳部の反対にもかかわらずに国家情報院押収捜索を断行し、従業員を逮捕したために1ヶ月の停職処分となった。またこの積極捜査が朴槿恵政権に疎まれて左遷させられたとされている。
その後、崔順実ゲート事件の特別検事の特別捜査チーム長を務めるために現場に復帰し、2017年5月19日に文在寅政権からソウル中央地検長に任命された。2019年6月17日に文在寅に検察改革を期待されたことにより検察総長候補者に指名された。文は指名時に「大統領府でも政権与党でも権力に不正があれば厳正に捜査せよ」と訓示を行った。
しかし、曺国(元法相)の起訴を起因に文政権と対立するようになり、秋美愛(後任法相)は検察幹部を総入れ替えし、捜査を指揮してきた幹部は済州島などの地検に異動させ、代わりに文に近い人物らを配置した。この事態を韓国紙は「大虐殺人事」と報道した…