2000年頃だったと記憶してるけど、私の職場にアルゼンチンから無一文で逃れてきたスタイリストがやってきた。
デフォルトに陥り経済危機の大混乱で銀行が支払い機能を失い夫婦2人で貯めた自分たちのサロンをあける資金が全て消えたそう。
働き出しても銀行は一切信用せずに給料日にオーナーが切る小切手をキャッシングサービスで手数料を払ってでも現金化してアパートのどこかに現金で溜め込んでいた。そのうちオーナーがサロンで現金化してあげていたけど、不審感を持ちつつも「アパートに現金を置いておくのも危ない」となんとかみんなに説得され銀行の口座を開けるまでに軽く1年以上は経っていた。
その後、米政府の経済危機のニュースが流れると仕事を放り出して即銀行に行き下ろせるだけ全部キャッシュアウトしていた。
何度もそういった中南米の人達がパニックになり銀行に押し寄せ大行列を作り現金を引き出す様子はここラテンの街マイアミで見たことがある。
こういうニュースを見るたびに当時私たちが彼女に言ってた「アメリカの銀行は大丈夫だよ、政府が一定金額まで保証してくれるから」という言葉のなんと無責任であったことか。
そう思って彼女は自国で働いたお金を銀行に預けていたんだろうに。
将来そういう経験を私達がしないという保証はどこにもないものね。
今の世界の状況を見ると何が起きても不思議では無いと思う。
(彼女は今ちゃんと独立して自分のサロンを持っている)
アルゼンチン大統領選、右派ミレイ氏が当選確実 親米に転換へ、経済はドル化:時事ドットコム