福島では、人の集まる席で、男性はずーっと座りっぱなしで、女性だけがせっせせっせとお接待して、用事がないときには傍におとなしく控えている、というのが、あたりまえなのですが、最近は、県外から来た男性客が、その席で居心地悪そうにしているシーンに遭遇する機会も増えてきました。
当の福島の人たちは気づいていないのですが、席が終わった後の帰り道、県外の人から「……、あれはどうなんでしょうねぇ…。ちょっと居心地が悪かったんですけど…」と言われることが多くなりました。
「そうなんです。だから、この文化に違和感を持たない人だけが残って、違和感を持つ女性は外に行っちゃうんですよ」というと、なるほどねぇ、と頷かれます。
ほんとに男性陣は腰を据えて、「おーい、酒がこっちないぞー」とか言うだけです。「上げ膳据え膳」で、客人は座りっぱなしですべてをしてもらえるのですが、女性も、そこまでやる必要はないんです。
配偶者が亡くなった後、世話してもらわないと自分の生活上必要な家事がなにもできない高齢男性が残されると、まわりの人も大変ですから。