ネット右翼だって「日本がGIQの洗脳から解けてないない」とか「皆保険制度が外国人に乗っ取られている」とか言っているのだから、現実に構造的な暴力がどのように生まれているかの分析を欠いたまま何らかの傷つきやすさ(vulnerability)を自集団に帰属するだけの政治なんてまったく価値がないし、こうした「傷つきやすさの領有」が実際にはマイノリティ集団の迫害や暴力の憎悪を駆動してきた歴史だって明白にあるのだから、「傷つきやすさの政治」は極めて危険ですらあるのだけど、そういうことへの注意もないまま、自集団の「弱さ」と、それが軽んじられることへの「怒り」を焚き付けているばかりの人たちを見ていると、それが誰であろうともう何にも信用できないし単に害があるなとしか思わなくなってしまった。