ガザは宗教的対立ではなく、土地をめぐる争いですらない。
「イスラエルとパレスチナのガザ地区がある東地中海沿岸には、莫大な埋蔵量の天然ガスがある。イスラエルの発電量の70%以上を同地域のガス田が担っている。問題は、イスラエルが資源を独占するためにパレスチナの主権を奪ってきたということだ。1998年に発見されたガザ地区沿岸のガス田「ガザマリン」には、パレスチナをエネルギー独立国にしても余るほどの埋蔵量がある。
…イスラエルは2000年からパレスチナのガス田への接近を禁止し、ガザ地区沿岸の封鎖区域を広げてきた。最近は米国の支援を受け、イスラエル・キプロス・ギリシャをつなぐ海上パイプラインを、2025年の完成を目指して建設している。このパイプラインは欧州連合(EU)の需要の10%ほどの天然ガスを送ることができる。そして欧州はウクライナ戦争以降、ロシア産の天然ガスへの依存を減らし、イスラエル産の天然ガスの輸入量を増やしている」