袴田さん再審と「人間の時間」 重なった偏見の先に「死刑」があった:朝日新聞デジタル https://asahi.com/articles/ASRB552SRRB5UPQJ00N.html
「再審決定で裁判所は、衣類は捜査機関が捏造した可能性を指摘しています。でも長い間、捜査機関はおかしなことはしないはずだという偏見があった。冤罪は偏見の積み重ねだと感じます」
「袴田さんは、よそ者で、腕力がありそうな元ボクサーで、事件が起きた深夜に自室で一人で寝ていてアリバイがない、だから怪しい――という偏見で逮捕された。捜査機関としては、彼が犯人だと結論づけたのだから、それに沿う証拠は作っても構わないという意識だったのでしょう。裁判所も、捜査機関の言うことは正しいという偏見で、疑問をすべて退けてきました」
「(姉の秀子さんは)強い人です。『諦めなければ、いつか必ず無罪になる』という信念が揺らがない。恨みを口にする姿も見たことがありません。人間と社会を真の意味で信頼しておられるのでしょう。姉弟は90歳と87歳。それなのに、メンツなのか組織のためか、検察はさらに時間を空費させようとしている。ひとの人生をなんだと思っているのか。憤りを覚えます」